Anki は 復習で一定回数間違えると、無駄なカードとして保留になり以後の学習から除外されます。この機能を知らないとカードが消えてしまったように感じるかもしれません。 そこで無駄なカードを保留状態から戻す方法とフィルター単語帳で学習する方法を紹介します。

無駄なカード(Leech)とは

無駄なカード(Leech)とは、何度も記憶に失敗したカードのことです。既定では8回、復習で失敗すると無駄なカードになります。

無駄なカードの詳細については、Anki日本語マニュアルの無駄カード (Leeches)をご覧ください。

問題は、既定の設定では、8回以上失敗し無駄なカードになると自動的に保留されてしまうことです。 この仕組みを知らない方にとっては、繰り返し復習していたカードが、突然単語帳から消えて、行方不明になった感じるのではないかと思います。

実際には、単語帳にはそのまま残って、タグ Leech が設定され保留状態になっています。このため、出題から除外されているのです。

Ankiマニュアルでは、無駄なカードをそのままの形で学習し続けることは時間の浪費なので、次のように処理することを勧めています。

  • 他の項目と記憶の干渉が置きている場合は片方の記憶が完全になるまで、もう一方を保留する。

  • 記憶する価値があるのか検討して、無駄であれば削除する。

  • カードを編集して覚えやすくする。

保留になった無駄なカードを戻すには

Ankiユーザーの皆さんの色々な事情から、無駄と判定されても学習し続けたい場合もあると思います。 次のような手順で通常の復習セッションにカードを戻すことができます。

無駄なカードを保留から復帰する手順
  1. Ankiのブラウザーを開き、サイドバーから [Command/Ctrl] キーと押しながら [無駄] と [保留] 項目をクリックしてください。検索条件では tag:leech is:suspended となります。タグ Leech が設定されている保留カードの一覧が表示されます。

  2. この中から保留を解除したいカードを選択して、ウィンドウ上部の[保留]ボタンを押します。

無駄なカードの設定を変える

毎回無駄なカードが発生するたびに、元に戻す作業を行うのは手間な作業です。 単語帳のオプション設定を編集すると、この処理を変更して、タグ Leech を設定するだけで、保留を行わないようにすることができます。

無駄なカードの処理をタグを追加するだけに変更する手順
  1. Ankiのメインメニューの単語帳一覧から、設定したい単語帳をクリックします。

  2. ウィンドウ下の[オプション]ボタンを押します。

  3. [忘却]タブをクリックします。

  4. [無駄なカードの処理]という項目のプルダウンメニューから[タグを付けるだけ]を選択します。

  5. [OK]ボタンを押す。

単語帳のオプション設定
図 1. 単語帳のオプション設定

これで、無駄なカードに設定されても、学習を続けることができます。

無駄なカードを隔離して学習する方法

無駄なカードを保留したまま、通常の学習セッションと分離して学習することもできます。

フィルター単語帳を作成し、検索条件に tag:leech を設定します。 出題方法で、[無作為]や[忘却回数の多い順]などが設定できます。

無駄なカードを学習するフィルター単語帳
図 2. 無駄なカードを学習するフィルター単語帳

フィルター単語帳の詳しい使い方については、フィルター単語帳でAnki学習をカスタマイズしようをご覧ください。

AnkiMobile ノート

Anki の iOS 版アプリ AnkiMobile Flashcards を使っている場合も同じように設定できます。

無駄なカードの保留を解除する

  1. 学習画面の中央にある [Find] ボタンをタップし、検索画面を開きます。

  2. 検索条件欄に tag:leech is:suspended と入力して [Search] をタップすると保留中の無駄なカードを表示します。

    保留中の無駄なカードを検索
    図 3. 保留中の無駄なカードを検索
  3. 保留を解除したいカードをタップして編集画面を開き、画面下中央の上矢印のボタンをタップします。

  4. メニューの中から [Unsuspend Card] をタップします。

    保留を解除
    図 4. 保留の解除

無駄なカードの処理設定の変更

無駄なカードの処理方法は、単語帳ごとに学習オプションで設定されています。

  1. 無駄なカードの処理は単語帳一覧から単語帳を選択し、学習画面右上の [Tools] ボタンをタップします。

  2. [Study Options] を選択して、学習オプション画面を開きます。

LAPSES (忘却) 項目の [Leech action] を [Tag Only] に設定すると、無駄なカードと判定しても保留処理は行わなくなります。

[Leech threshold] では、無駄なカードと判定する忘却回数を設定できます。

学習オプション
図 5. 学習オプション

フィルター単語帳の設定

AnkiMobile でも のフィルター単語帳の場合を同様に設定できます。出題順序を忘却回数が多い順に設定するには、オプションの [cards selected by] を [Most lapses] に設定します。

フィルター単語帳
図 6. フィルター単語帳

更新情報

2013/07/13: 初出

2016/04/27: 追加 AnkiMobile 2.0.21 対応