Ankiのカードタイプと出題方法の増やし方
2014-04-19 更新Ankiは一つのノートタイプに複数のカードタイプを設定できます。カードタイプを追加すると、既存のデータから出題方法の異なる複数のカードを自動作成できます。この記事では、まず最初に表裏を逆転したカードを追加する方法を説明します。更にカードタイプを追加して色々な出題方法を増やす手順を簡単に紹介します。
前提知識
この記事は、次の記事の理解を前提として作成しています。
Ankiのノートタイプ
Ankiでは、問題のデータ1件1件をノートと読んでいます。ノートは一つ以上のフィールドというデータ項目の集まりです。 表示するカード上にどのようにフィールドのデータを表示する枠組みをカードテンプレートと呼びます。
既定の[基本]ノートタイプは、FrontとBackの2つのフィールドと一つのカードテンプレート(カードタイプ)で構成している最低限の基本要素です。
Ankiは、このノートタイプに、フィールドやカードテンプレートを追加してカスタマイズすることで、一つのノートから様々な出題方法のカードを派生する機能を持っています。
注意: [穴埋め]ノートタイプは特別なノートタイプで、一つのカードテンプレートしか持てないため、この記事の内容を適用できません。
まず最初に、簡単な例として既存のカードの質問と解答を裏返したカードの作り方を説明します。
裏返しのカードを作成する
[基本]ノートタイプを使った既存のQAカードを使って、裏返しのカードを追加する一番簡単な方法は、ノートタイプを[基本(裏面カード付き)]に変更することです。このノートタイプは標準で用意されているものです。 このノートタイプには、[基本]ノートタイプに含まれているカードタイプ(カード1)に、裏返しのカードタイプ(カード2)を追加したものです。 ノートタイプを変更することで簡単に裏返しカードを生成することができます。
ブラウザーから裏返しのカードを作りたいカードを選択し、メニューバーから[ノートタイプを変更](Mac OS X: Command+Shift+M, Windows: Ctrl+Shift+M)を選択し、設定画面で変更先ノートタイプを[基本(裏面カード付き)]に指定します(図 1)。
するとブラウザーに裏返しカードが追加になります。[カード]タイプを表示していれば追加カードのカードタイプが「カード2」という名前になっていることが分かります。 元のカード(カードタイプ: カード1)には、期日は元のまま残っているのに対して、追加した裏返しカード(カードタイプ: カード2)は、期日は初期化され新規カードになっていることに注目してください(図 2)。
また、サイドバーの[今日追加したカード]を選択してみてください。追加したカードはここにも現れます。
関連カードの取り扱い
なお、Ankiはこの元のカードと新たに作成した裏返しのカードを両方をまとめて関連カードとして扱います。関連カード同士を連続して出題すると答えが簡単に分かってしまうので、あるカードを解答したら、そのカードの関連カードが出題キューに入っている場合は延期処理が行われます。この機能はAnki2.0.13で実装し直したものです。 詳しくは、Anki2.0.13の注目すべき変更点をご覧ください。
さらに複雑な出題方法を追加する
前の項目で取り上げた、表面の文字情報を見て解答を想起する単純なカードから、次のような少し複雑な出題方法を追加してみましょう。
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聴き取り: 音声を聴いて、解答を想起するカード。正しく聴き取り、その意味を記憶しているか確認します。
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書き取り: 音声を聴いて、聞き取った内容を入力し、さらに解答を想起するカード。正しく聴き取り、綴りと、意味を記憶しているか確認します。
既存のノートタイプにこの様な機能を持ったカードテンプレートを追加することで実現できます。その作り方をこれから説明していきます。
カードレイアウトの呼び出し方
カードテンプレートの追加は、[カードレイアウト]ウィンドウで設定できます。 次の方法のいずれかでカードレイアウトの呼び出すことができます。
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ブラウザーからカードを追加したい項目を選び、ブラウザーのカード一覧の下にある[カード]ボタンを押す。(図 2)
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メインウィンドウからメニューバーの[ノートタイプを管理]を選択し、[ノートタイプ]ウィンドウからカードを追加したいノートタイプを選び、[カード]ボタンを押す。(図 3)
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メインウィンドウ上部から[追加]リンクをクリックして[ノート追加]ウィンドウを呼び出し、[種類]の設定で追加したいノートタイプを選び、[カード]ボタンを押す。(図 4)
追加機能を持ったカードテンプレートの作成
カードレイアウトで右上の[+]ボタンを押すと、選択中のタブで表示しているカードタイプを複製します。 カードタイプを削除するには、タブのカードタイプ名の前にある[x]印を押します。
カードの名前は自動的に設定しますが、ウィンドウ下のドロップダウンメニュー[もっと]-[名前の変更]で好きな名前に変更できます。
ウィンドウ下の[反転]ボタンを押すと、表面と裏面のテンプレートを入れ替えることができます。 既定のノートタイプ[基本(裏面カード付き)]と同じ機能を実現することができます。
テンプレートに追加表示するフィールドは、手入力でも設定できますが、ウィンドウ下の[フィールドを追加]ボタンを押すとノートタイプに設定済みのフィールドの中から選択できます。
聴き取りカードの設定例
聴き取りカードは、基本ノートタイプの表面のテンンプレートを編集して、Frontフィールドを読み上げるためのアドオンAwesomeTTSのタグを設定します。 この例では、Mac OS X標準のVoiceOverを使って、Alexの音声で設定しています。
(聴き取り) <TTS service="say" voice="Alex" style="display:none">{{Front}}</TTS>
書き取りカードの設定例
書き取りカードは、聴き取りカードの設定内容に加えて、読み上げた音声の解答をキー入力するための設定 {{type:Front}}
(書き取り) {{type:Front}} <TTS service="say" voice="Alex" style="display:none">{{Front}}</TTS>
追加したカードの確認
Ankiのブラウザーを開き、カードテンプレートを追加したノートタイプをサイドバーから選択してください。 追加したカードテンプレートの数だけ、カードが増えていることが分かります。
また、サイドバーの[今日追加したカード]を選択してみてください。追加したカードはここにも現れます。
ブラウザーのカード一覧でカードタイプを表示していれば、どのカードにどのカードタイプを使っているか確認できます。 見出し行を左クリックして[カード]を選択すると設定できます。
図 6の例では、同じノートから生成した4枚のカードが一組の関連カードになります。